インド-India-

無事に卒業研究を提出し、2年半続いたバイトも卒業し、
私はいよいよ学生生活最後の旅に出発した。

行き先はインド・ネパール
もういいだろ、と突っ込まれそうなのは痛いほどわかるが、
でも私はもうハマってしまったのです。
なんつーか、もともとリピーター気質なところがあって、
もちろん新しい場所にも行きたい気持ちは大きいんだけど、
行った先で出会った人と、もう一度会いたい、っていう気持ちが大きくて。
うん、でもやっぱりインドとネパールは、
何度でも人を惹きつけてしまう不思議な魅力がある国だってのも間違いないと思う。


まぁそんなこんなで、私は気づいたら新千歳空港にいた。
今回は成田発という事で、まずは羽田へ。
カウンターでバックパックを預けると、荷台の数値は「13kg」
何入ってんだよ?!
・・・それもそのはず、私は今回ネパールで再会するみんなのために、
ジャパニーズカルチャー代表という事で
餅1kgパックと、 それにつける醤油お好み焼きの粉ソースマヨネーズ、
極めつけに、いいちこ(日本酒)と梅酒を入れていたのです。
アホだろ!

東京では、えみさんというお姉さんの家に一泊させてもらう事になっている。
えみ姉さんは、私と同じくネパールにハマってしまった人で、
1年に4度という驚異的なペースで渡ネをしている大先輩だ。
私がネパールで日々を共にしたアルジュンの大親友でもある。
というか、そもそもえみ姉さんと私は、アルジュンの紹介で出会ったのだ。
旅ってのは外国人とばかりじゃなくて、時に日本人の輪をも広げてくれるのであります。

えみ姉さんの家では、えみ姉さんの友人、さやかさんも加わって、
一緒にネパールの写真を見たり、2人のタイでの思い出話を聞いたり、
ちょっとずつ気分が高揚…あぁ、ネパールはすぐそこ☆☆☆


今回の航空会社はエアーインディア
スチュワーデスさんは全員サリーを着ています。
しかもエアーインディアには、オリジナルのキャラクターがあって、それがまたカワイイ。
インドの航空会社という事で、かなり警戒していたんだけど(笑)
機内で流れているインドミュージック&ビデオを見ていると退屈する事もなく、結構ヨカッタ。
空1 空2
(上)機内から見えた空。半日のフライトでは、空の色々な変化が見えた。

成田を発って7時間、飛行機はタイに着いた。約1時間のトランジット。
飛行機の中で待機していると、どんどんインド人がなだれ込んでくる。
成田からの便は日本人の割合が高かったが、ここからは急にインド人率が上がる。
機内で聞こえるのはヒンディー語ばかりだし、そしてウルサイ。
遠足のバスのようになった飛行機で、さらに4時間。
夜中に飛行機は、インドのデリーに無事到着した。
エアーインディア
(上)エアーインディアのキャラクター。かわいいでしょ?!


いつもの事だけど、今回も私はデリーに着いてどうするか、全く決めていなかった。
ターンテーブルで荷物を待ちながら、声をかけれそうな人を探すが、
あいにく私の好きじゃないタイプの日本人が数人いるだけ。仕方ない、今晩は空港で寝るか…
と思った矢先、一人なかなかイケメンの日本人の兄ちゃんを発見した。
しかもワゴンには、間違いなくインドで買ったと思われるバッグを置いている。=初インドじゃない
これは力強い…しかもイケメン…というわけで、私はタクシー乗り場に向かうその兄ちゃんを追いかけた。
「あのっ、もしかしてメインバザールですか?」
「あぁ…シェアしますか?」
「よかったらお願いします!」
というわけで、私はこの角井さんというお兄さんと、 インドの安宿街、メインバザールへ向かった。
角井さんは、ヨガの先生になるために、半年の予定でインドに来たのだそうだ。
いつもの事だけど、インドに来る人ってホント深い人が多い。
特にあてのない私は、角井さんが知っいるという宿に、便乗して泊まる事にした。
この宿、どんな運命か、ネパーリがやたら働いていて、
私は初日からブッ飛ばして、夜番のネパーリ達と、朝方まで話しこんだ。
ネパリ1 ネパリ2
(上)宿で働く夜番ネパリ達。右の写真は、1番右の彼だけインド人。…同じだべって(笑)?!


翌日は、角井さんと一緒に朝ごはんを食べに行き、夜の列車までやる事のない私は
「バスケットボールが欲しい」という角井さんに付いて コンノートプレイス(割と近代的な地区)に行く事にした。
ところが、もう昼近いというのに、店が全然開いていない。
宿で聞いてみると、何やら今日はリパブリックデー(建国記念日)だそうで、
コンノートプレイスも全部閉まっているらしい。
やる事のなくなってしまった私たちは、「寝るかァ」という事で解散。
いいなぁ、このどうでもよさが、また素敵。

夕方荷物をかついでホテルの下に降りると、角井さんがチャイを飲んでいた。
「お待ちしていました」だってさ!かっこい〜♪
「寝るかァ」で終わらないで、最後にもう1度話したいと思ってた私は、喜んで席についた。
一緒にチャイを飲みながら、お互いのこれからの予定などを話す。
そして出発の時間が来た。
私がチャイのお金を払おうとすると、「餞別」とか言って払ってくれたり、
私がモタモタしてる間に、ホテルの前にリキシャを止めて、しかも値切っておいてくれて
いやーなかなかかっこいかったです。
いい男になるよ、彼は。(お前誰やねん)
角井さんと
(上)初日を一緒に過ごした角井さん。今もまだインドにいるのかなぁ…

ニューデリー駅から、もう乗り慣れたShiva ganga Exp.でバラナシへ向かう。
寝台でウォークマンを聞いたり、余る時間を潰していると、
隣のコンパートメントのインド人が、晩御飯を分けてくれた。

辛い、多い…

とてもじゃないけど食べきれずに困っていると、 「fullなら無理しなくていいよ、降りてこないか」と声をかけてくれた。
行ってみると、彼らは一族総勢35名でバラナシへ向かっているという。
中にいる女の子の結婚式があるらしい。
「いいなぁ、結婚式見てみたい!」
「じゃあ一緒に来るかい?」
「もし邪魔じゃなかったらぜひ!」

私を見つけて次から次へとやら 叔父やら 祖母やら やら 色んな人が狭いコンパートメントにやって来る。
この日は結局夜の1時過ぎに解散になるまで、この大家族と話し続けた。
晩ご飯 親子 趣味の悪い息子
(左)分けてくれた晩ご飯。もちろんカレー。  (中)親子。こんなカワイイ子もいつかパパのようなひげヅラに…。
(右)「君もこいつと結婚したらいいんだワハハ」と盛り上がったが、この趣味の悪さは無理だ。爆

翌朝5時に、彼らは私の分のチャイを買って、起こしてくれた。
少しすると列車はバラナシに着き、列車を降りる。
結婚式へ連れていってくれるのかと思いきや、
「Good luck!」と握手を求められ、 私は「アレ?」と頭の上にはてなマークを乗せたまま、 一人になった。
まぁいいや、ここインドだし。
私はリキシャを捕まえ、宿へ向かった。

前に泊まった宿は満室という事で、その近くの宿へ向かう。
一休みして屋上へ向かうと、そこではメガネをかけたインテリ風の欧米人が座っていた。
アメリカ人のアレックスは、日本から一人旅をスタートし、ここに至るという。
たまに日本を旅した人に会うけど、どうして日本へ行こうと思うのかなぁ…未だわからず。

話の流れから、アレックスと彼のガイドと一緒に、1時間ほどバラナシの寺巡りをして、
それから私は、以前に泊まった宿へ、みんなに会いに行った。

シワセカールも、またかっこいくなってて、びっくりしてしまった。(詳しくは2回目のインドの旅参照)
シワは、半年後に結婚するそうだ。
「まだ相手の顔も見た事ないんだけどね!」と言って笑っていた。
インドではまだまだ親の決めた結婚というのが多い。
それで嫌じゃないの?と聞いてみたが、それが普通、という感じだったので、ならまぁいいか。
セカール
(上)私のインドの弟★いい男に育ちました。シワの写真は撮れず…涙。

夜は、アレックスと一緒にご飯を食べに行き、そのままガンジス川沿いを散歩した。
写真がないのが残念だが、アレックスは本当に見たままの「良い人」で、
ひっきりなしに来る物乞いやボートの客引きにも1人1人に誠実に対応していて、 決して無視したりしない。
「今日は早起きしたから、明日はゆっくり昼まで寝るよ」と言っていたのに、
ボートで朝日を見ろというしつこい客引きに誠実に対応し、
「わかったよ、じゃあ明日の5時、間違いなくここで会おう」と 握手して別れる始末。
いい人過ぎだよアンタ
いつかブチ切れて、インド人を殴り倒さないか心配…。

夜のガンジス河は、プージャ(お祈り)をしているガートを過ぎると、とても静かで、
私たちは色んな事を話しながら歩いた。
けど、何を話したかは全然覚えてない。
だって、アレックス何言ってるのかよくわかんないんだもん。

…ワタシ、アメリカ人とイギリス人の英語、ワカリマセ〜ン。

英文学科が聞いて呆れる。
私は、英語を2nd languageとして使う人との意思疎通率はカナリ高いと自負しているが、
ネイティブとの会話はそうでもない
よく、旅の中で、外国人に話し掛けられて、ヘラヘラと「イエス、イエス」とか繰り返してる日本人を見ると
「イエス、イエスじゃねぇだろ」と見ていてイライラしてしまうのだが、
今宵私はアレックスを相手に、部屋に帰るまでイエスを繰り返す立派なイエスマンになっていたのでした。

部屋に帰り、極度のリスニングで疲弊しきった私は、荷造りをして、
明日のネパール行きのバスに備えて、ベッドに倒れこみましたとさ。


ネパールへ

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